叛逆 マルチチュードの民主主義宣言 (NHKブックス)

詳細

• タイトル: 叛逆 マルチチュードの民主主義宣言 (NHKブックス) de アントニオ・ネグリ
• ISBN: 4140912030
• ファイル名: 叛逆-マルチチュードの民主主義宣言-nhkブックス.pdf
• 発売日: 2013/3/26
• ページ数: 216ページ ページ
• 出版社: アントニオ・ネグリ

原著は2012年5月出版されたネグリとハートの新しい著作です。闘いの展望と確信が持てる書です。 ネグリとハートは、『帝国』'2000『マルチチュード』'2004『コモンウェルス』'2009の三部作によって、1989年ベルリンの壁崩壊以降の世界を分析し闘いを展望するキーワード「帝国」「マルチチュード」「共（コモン）」「構成的権力」「構成的闘争」といった概念を手にしました。本書ではこれを注釈として、充実し整理しています。 2011年、新たな社会運動と闘争が世界中に広がりました。チュニジア、エジプト、イエメン、リビア、シリアから北アフリカ及び中東に広がった「アラブの春」。そして、カイロのタハリール広場に始まり、マドリード、テルアビブ、アテネ、ロンドン、ニューヨークウォール街に引き継がれた泊まり込み抗議運動です。ネグリとハートは、これらの闘いの中で響き合い、研ぎ澄まされて、闘いの共同調査としてこのパンフレットを書き上げました。 「これらの闘争は、新自由主義の不正に、また究極的には私的所有の支配に抗議しているという意味で〈共〉をもとめる闘いなのである」。 危機が生み出した主体として「借金を負わされた者」「メディアに繋ぎとめられた者」「セキュリティに縛り付けられた者」「代表された者」の4類型に整理し、それぞれの反逆の対抗原理を提示し立法・行政・司法に対するアジェンダを掲げます。 「代表された者は、他の主体形象と同じようにごまかしや神秘化の所産である。借金を負わされた者が生産的で社会的な力を自ら管理することを否定されているように、メディアに繋ぎとめられた者がその知性・常道的能力・言語的発明力をメディアに売り渡してしまっているように、そしてセキュリティに縛り付けられた者が恐れと脅威に切り詰められた世界の中で生きながら、連合・正義・愛に基づいて社会的な交換や交流を行うあらゆる可能性を剥奪されているように、代表された者は実効的な政治的活動へのアクセスを阻まれているのだ」。 対抗原理は国有化〈公〉ではなく〈共〉であり、民主主義の全面的な徹底です。 いまこれを打ち破る〈共〉がうまれていると、現実の闘争によって我々マルチチュードを励まします。これは日本でもやはり2011年以降、闘い続けられている反原発などの闘いでも体験しているところです。 「異なる社会集団は、闘争の過程で、おのおのが特異性として互いに作用し合いながら、相互の交換を通じて、啓発され、鼓舞され、変容させられるである。それらの集団は、闘争のの外部にいる人々にはたいてい聞こえなかったり、理解できながったりする低い周波数で(声を落として)、互いに語り合うのだ」。「変わらぬ情熱を持って自由、平等、〈共〉の原理を守り続けている人々にとって、今日最も重要な課題は、民主主義社会を構成することなのだ」。 いまここにある闘いで突破するヴィジョンは民主主義なのです。